○東村山市環境を守り育むための基本条例

平成14年6月25日

条例第21号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 環境の保全、回復及び創造に関する基本的施策(第8条―第12条)

第3章 パートナーシップ(協働)の推進(第13条―第18条)

第4章 東村山市環境審議会(第19条)

附則

私たちは、先人から受け継いだ豊かな自然の恵みと営みのもとで生命を育んできた。しかし、近年の絶えまざる科学技術の発達により、私たちの生活の利便性を飛躍的に向上させた一方で、エネルギーが大量に消費され、資源の枯渇や自然の浄化能力を超える環境汚染、取り返しのつかない生物種の絶滅など地球の環境が脅かされ、今や私たちの生命や生活の基盤が損なわれるまでに至っている。

私たちの住む東村山市は、武蔵野台地のほぼ中央に位置し、狭山丘陵を背に空堀川、前川、北川をはじめ野火止用水などの水辺空間を有し、点在する平地林などの豊かな緑は武蔵野の面影を今に色濃くとどめている。

また、下宅部遺跡など縄文の時代から足跡を残し、国宝正福寺地蔵堂など数々の文化財は、生活の場としての永い歴史を物語っている。

近年は、武蔵野の美しい風情を残す農村地域から住宅都市として発展し、急速な市街化が進展し、緑地の著しい減少や都市生活型公害なども顕在化している。

私たちは、良好な環境のもとに、健康で安全かつ快適な生活を享受する権利を有している。また、良好な環境は単に自然から与えられるものでなく、すべての市民による保全、回復及び創造の努力によってはじめて享受できるものである。同時に恵み豊かな環境を将来の世代に継承していく責任と義務がある。

私たちは、大気、水、土壌の循環や多様な生物との微妙な均衡のもとに環境を分かちあっている。人と自然とが共生しすべての市民の協働のもとで、環境へ負荷の少ない持続的な発展が可能な循環型社会を創りあげていくため、ここにこの条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全、回復及び創造について基本となる理念を定め、東村山市(以下「市」という。)、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境保全等に関する施策の基本的事項を定めることにより、その施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来にわたって市民が安全かつ快適な生活を営む上で必要とする良好な環境を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「循環型社会」とは、資源採取、生産、流通、消費、廃棄等の社会経済活動の全段階を通じて、資源エネルギーの一層の循環及び効率化並びに廃棄物の発生抑制、循環的な利用及び適正な処分を図る等、社会経済システムにおける物質の循環を確保することにより、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会をいう。

3 この条例において「地球環境の保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化、オゾン層の破壊、海洋の汚染、酸性雨、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、市民の健康で安全かつ文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全、回復及び創造は、市民が快適な生活を営む良好な環境を確保しつつ、これを将来の世代に継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全、回復及び創造は、人と自然とが共生し、環境への負荷の少ない循環型社会を基調としたまちを目指して、すべての者が協働することによって行われなければならない。

3 地球環境の保全は、日常の生活活動や通常の事業活動に密接にかかわっていることにかんがみ、すべての者の自主的かつ積極的な取組により推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、基本理念に基づき、環境の保全、回復及び創造に関する基本的かつ総合的な計画を策定し、実施する責務を有する。

2 市は、自ら率先して環境への負荷の低減に努めなければならない。

3 市は、環境の保全、回復及び創造に関する施策に、市民及び事業者の意見を反映するよう必要な措置を講ずるものとする。

4 市は、環境の保全、回復及び創造に関する情報の収集及び公開に努めるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、基本理念に基づき、事業活動を行うにあたっては、環境への負荷の低減並びに公害防止及び自然環境の適正な保全を図るため、その責任において必要な措置を講ずる責務を有する。

2 事業者は、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するために必要な情報の提供に努めなければならない。

3 事業者は、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うにあたっては、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

4 事業者は、環境保全等に関する学習及び活動に積極的に参加するとともに市が実施する環境の保全、回復及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)

第6条 市民は、基本理念に基づき、その日常生活において、環境への負荷の低減並びに公害の防止及び自然環境の適正な保全に努めなければならない。

2 市民は、環境保全等に関する学習及び活動に積極的に参加するとともに、市が実施する環境の保全、回復及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(市内施設等の利用者の責務)

第7条 市内の自然に親しみ、又は文化施設等を利用する者は、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全、回復及び創造に関する施策に協力するよう努めなければならない。

第2章 環境の保全、回復及び創造に関する基本的施策

(基本的施策)

第8条 市長は、環境の保全、回復及び創造を図るための基本的施策として、次に掲げる施策を推進するものとする。

(1) 生活環境に関する施策

 大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染等の公害防止に関すること。

 ダイオキシン類等新たな環境汚染物質の弊害防止に関すること。

 市民生活に伴う騒音、臭気等生活型公害の対策に関すること。

 廃棄物の発生、排出抑制及び適正処理に関すること。

(2) 文化的環境に関する施策

 歴史的、文化的遺産の保全に関すること。

 地域の環境と調和した良好な都市景観の形成に関すること。

(3) 自然環境に関する施策

 良好な自然環境の適正な保全、回復及び創造に関すること。

 緑化の推進及び農地の保護と育成に関すること。

 動植物の生育環境並びに水循環及び河川等の水辺環境の保全、回復及び創造に関すること。

(4) 地球環境に関する施策

 エネルギーの合理的かつ効率的な利用及び資源の循環的な利用の促進に関すること。

 地球温暖化及び酸性雨の防止、オゾン層の保護等地球環境保全に関すること。

(環境基本計画)

第9条 市長は、環境の保全、回復及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、東村山市環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を策定する。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項をもって定めるものとする。

(1) 環境の保全、回復及び創造に関する目標

(2) 環境の保全、回復及び創造に関する基本的施策の方向

(3) 環境の保全、回復及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 市長は、環境基本計画を策定するにあたっては、あらかじめ東村山市環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(環境影響評価)

第10条 市長は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業について環境の保全に適正な配慮がなされるように、その事業の実施が環境に及ぼす影響を事前に評価するために必要な措置を講ずるものとする。

(年次報告の作成及び公表)

第11条 市長は、環境の状況、環境基本計画に基づき実施された施策の状況等について報告書を作成し、これを公表するものとする。

(施策実施にあたっての義務)

第12条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を実施するにあたっては、環境基本計画との整合を図るものとする。

2 市は、環境基本計画等に関する施策について総合的に調整し、及び推進するために必要な措置を講ずるものとする。

第3章 パートナーシップ(協働)の推進

(計画等の策定への参加)

第13条 市長は、環境基本計画等の策定にあたっては、市民及び事業者の意見を反映するよう必要な措置を講ずるものとする。

(協働の責務)

第14条 市、市民及び事業者は、相互に協力するための自発的な活動を行い、対等の立場で共通する環境保全等に関する施策の推進又は環境問題の解決に努めなければならない。

(情報の収集及び提供)

第15条 市は、環境の保全、回復及び創造に関する施策を実施するため、地域環境に関する情報の収集に努めるものとする。

2 市は、地域環境の現状に関する情報、市が策定した施策等及び将来の環境保全等に寄与する情報を提供し、及びこれを公開するよう努めるものとする。

(環境学習の推進)

第16条 市は、市民及び事業者が循環型社会の形成及び環境保全等について理解を深められるよう、家庭、学校、地域及び職場における学習の推進を図るものとする。

(自発的活動の支援)

第17条 市は、市民及び事業者又はこれらの者で構成する団体による自発的な環境保全等に関する活動の促進に努めるものとする。

(広域的協力等の推進)

第18条 市は、環境の保全、回復及び創造を図るための広域的な取組を必要とする施策について、国及び東京都その他地方公共団体との交流及び連携を図り、その推進に努めるものとする。

第4章 東村山市環境審議会

(環境審議会)

第19条 市の環境保全等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、東村山市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、次に掲げる事項を調査・審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 環境保全等についての基本的事項に関すること。

3 審議会は、環境保全等に関する重要事項について、必要があると認めるときは、市長に意見を述べることができる。

4 審議会は、次の各号に掲げる者で、市長が委嘱する委員12人以内をもって組織する。

(1) 市の環境関係審議会委員 2人以内

(2) 学識経験者 2人以内

(3) 環境関係活動団体等の推せんする者 3人以内

(4) 事業者 2人以内

(5) 公募市民 3人以内

5 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成14年10月1日から施行する。

(非常勤の特別職の職員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 非常勤の特別職の職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年東村山市条例第12号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう略〕

東村山市環境を守り育むための基本条例

平成14年6月25日 条例第21号

(平成14年10月1日施行)